工房雑記

麻乃葉財布の再生をしました。

連日の水対策作業で、自分のできることがあまりないのです、
作業場全体雑然とした中で、スペースを取らずにできることを考えました。

麻乃葉財布の再生をしました。

自分が使い続けて、小銭入れ部の内布が破れて久しくなるので
制作者本人の持ち物として情けないので、再生することにしたものです。
使用年数は、上野村に移住以前より使っているので20年程になります。
但し、経年変化は使用頻度、使用状態によってそれぞれですので、場合によっては
5、6年で部分破損の出ることもあり、使用年の参考にはなりません。
それにしても、丈夫で長持ちは間違いありません。

竹原板を革本体部分から剥がしとり、裏面の接着剤残滓を極力きれいに削り取ります。
竹原板の手垢汚れなどを何度も濡れ布巾で拭きとり後、薄めたウレタンで塗り拭き上げをする。
これで使い込まれた渋い深みのある柔らかな光沢によみがえります。

革本体を新たに作り替える予定でいた処、以前に作って見本として残っていたものがあり、
今では、何度かの改良により不必要な見本なのでこれを使うことにしました。
綺麗になった竹原板と革本体を張り合わせて再生されました。

 

DSC02084

長年使って、いい感じなのですが

DSC06535

小銭ポケットの内布が破れてこの通り

DSC06540

原版と革本体を剥ぎ分け  (元の革色はモスグリーン、今回はグリーン)

DSC06593

この革本体と、綺麗にした竹原板を張り合わせて再生終了

DSC06576

これで又、使い続けられます。
今回は自分のものでしたが、お客様が長年使用された品物の補修、再生等も常にお受けしております。
大和美術工芸の製品は決して安くはないのですが、長く使用でき十二分に価値あるものと自負しています、
多くの方々に、ご愛用くださいますよう願って居ります。
  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事一覧

投稿カレンダー

2016年9月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930